小さなネットショップの難しさ

私が起業したのは、47歳のとき。20年間は頑張って仕事をしようと考えていました。逆に言うと20年間しか仕事をしないつもりで会社を起こしました。


ですから、ベンチャーなんてとんでもない。会社というのもおこがましい。

本当は白色申告の個人事業主の形態でよかったのですが、ネットショップという業態は信用がなによりで、0から始めましたので仕入れ面の信用も不可欠でしたので「会社」という看板が必要でした。同じ内容の商売をしていても、対外的には「個人」と「法人」では、それだけで信用が違うのですから不思議ですね。


当時1円株式会社というのが流行でしたが、さすがに会社概要に1円は信用背景が薄いので500万円の資本金で設立しました。


当初より、人を雇う気持ちも無く、余裕も無く7年経過してきましたが、さすがに土日も無く仕事が続くと体が持たないと思っていた矢先に、飛んで火に入る夏の虫のごとく長男が拠所無い事情で入社してきました。正直、予定より早すぎるのですが後継者ができたことはうれしい限りです。


ネットショップは容易に立ち上げることができるだけに、たくさんの人がチャレンジしますが、去っていく人も少なくありません。


職人になるには10年以上は修行しなくてはならないだろうし、商事会社を軌道に乗せるにも経年の実績と経験が必要だが、ネットショップだけは極端に言うと、その日に開店して、その月にはお店単体としての黒字化は意外に早く、容易に実現します。実店舗の経費などとは雲泥の差で比べ物になりませんので売れさえすれば利益に直結するからです。


誰でも何時でも気軽に開店でき損をしないのがネットショップなのです。


もちろん目標とする売上金額や儲けが計画通りに行くとは限らないし、専業でいわゆる「食べていける」ようになるのは容易ではありません。世の中そうは問屋が卸してはくれません。


ただ、ネットの情報でよくあるように開店資金0円で開くことは当たり前のように出来、ネットオークションだけで生活している人も少なくありません。


成功するか否かは「やり方=ノウハウ」だけと言っても過言ではあありません。


だからこそ、そのショップのノウハウは非常に重要で、よくある話ですが、何年も売れなかったネットショップが一人の新しい店長で急激に売り上げが上がった、閉店を考えていた田舎の実店舗が、都会にすむ息子がネットショップを立ち上げて蘇る、悪い例では、ネットショップ担当の従業員が独立して最大のライバルになり売り上げが衰退してしまった。などなど、キーマンの存在は重要であり、そのキーマンが作ったノウハウこそが売れるネットショップの生命線なのです。


当社のように、小規模のネットショップはまさにその例にあてはまり、地方で脱サラで0からはじめたネットショップが仮にも成功らしき姿になっている現状は、私が考え作り上げたノウハウがあるだけなのです。この点は天狗になって自慢してよいでしょう。


ですから、他人を雇うのが難しいのです。こう考えているネットショップの経営者は多いと思います。

むかしながらの街のお店と一緒です。家族で経営して売れる商品を伝えて守り続ける。秘伝の味の「秘伝」こそがノウハウですよね。


でも、ノウハウと同じくらい重要なのが商品のチカラです。[商品力」はいかる商売にとっても重要な条件ですね。優れたノウハウと商品力が融合したら鬼に金棒、ネットショップの成功が約束されたも同じです。