なつかしい時間

一昨日、起業前に25年間勤めていた会社の親睦会に参加してきました。

55歳以上の現役社員と退職者混合の親睦会で75歳の方まで参加されていました。起業してから一匹狼で9年経過しましたが、こういう会に参加すると不思議と当時の良い意味での群れ社会の居心地の良さに浸ることができ短時間でしたが、とても懐かしく安らぐ時間を有意義に過ごすことができました。

 

懐かしいといえば、翌日、祖父母の分骨納めしている京都の本山の霊廟へ供養に行った際、30年ぶりに二年坂の甘味処「かさぎや」さんで、宇治金時を堪能してきました。

妻とつきあっている時にデートで立ち寄り、強烈においしかった印象が強く、その後も何度か京都に行った際は立ち寄りたいと思いながらも、団体行動や、時間がなくてと機会がありませんでしたが、今回は少人数で、しかも先祖供養が目的での京都訪問でしたので時間がたっぷりあり立ち寄ることができました。

 

まさにタイムスリップです。

 

30年前に訪れた時と同じ店のたたずまいで、上品に薄暗い店内、ひかえめな机や竹の椅子も多分同じではないかと思う。当時おもしろいと第一印象が強かった、小盆に乗った小さなかわいい湯呑茶碗と急須が出され、そして30年前に頂いて感動であった、あの宇治金時はまったく変わっていなかった。

変わっていたのは、当時は自然に着物を着こなしていた、とても上品で物腰の柔らかな、まさに京都のおじいさまという風格のご主人がいらっしゃらなかったことだけです。

 

こぎれいで、かわいいお店が軒を連ねるようになった二年坂、三年坂の観光コースであるが、これだけ頑なに30年前と(当然その何十年も前からでしょうが)変わらず存在してくれていたことに感謝の一言につきます。

 

なにより、外国語が飛び交う喧噪な通りと化した二年坂に面しておきながら、このお店の中には京都らしい静寂な空間が確立されいたことが凄い。私にとっての「これぞ ここぞ 京都」である。  ああ、なつかしい時間。