昨年末からだから3か月を超えて花市場に予約注文を繰り返して、愛知県からの定期便で毎回入荷して来ています。
ここまでガッツリ「盆栽素材」と区別できる品物は、実は花市場の品では珍しく当社にとっては貴重な商材です。
花市場に納入している生産者らしく量産対応ですから、何度注文しても入荷が続くところは流石です。
このトウカエデは「唐カエデ」と文字の通りに中国から来たもので、18世紀に長崎に伝来した5株が、徳川幕府八代将軍吉宗に献上されたいう記録が残っているそうで、しかも、浜離宮恩賜庭園に現存するトウカエデは吉宗公がお手植えしたとのことですから、是非次回上京の際には見学したいと思います。
もちろん、盆栽とはかけ離れた巨木ですが、そのトウカエデから現在国内では盆栽の代表的な樹種「カエデ」の大元になっているわけですから絶対に見るべき原木ですね。
ちなみに「通天カエデ」は、京都東福寺の境内に植えられたトウカエデが通天橋から見ると素晴らしくきれいなのでそう呼ばれるようになり、特に西日本では、トウカエデをツウテンカエデと呼ばれることが多いそうです。
京都由来の盆栽樹種名はもう一つあります。「六角堂柳」です。正確には「ロッカクヤナギ」ですが「堂」がある方が風情がありますね。六角堂の柳にお神籤を結ぶと恋の願いが通じるらしいですからね。
結局、盆栽樹種のカエデ、トウカエデ、ツウテンカエデは、すべてトウカエデのようです。葉性が違うとか樹皮が違うとかの差は、まさに「性」の違いにのようです。
ちなみに「カエデ」は「蛙の手」からだそうで納得。