
香川県は黒松盆栽の全国シェア8割という圧倒的な盆栽王国です。が、近年生産農家は激減しており昭和の頃300軒以上あった生産農家は令和になり50軒を切ってきた。50歳未満の後継者がいるのは僅かに数軒です。
この高松盆栽の特長は畑で太く大きく育てた素材が主体です。その太くて大きな盆栽が国内で激減しているのは日本の住宅事情の変化ですから到底抗うことができません。でも、ここ数年海外での盆栽ブームは急上昇しており輸出という光明が差してきました。
祖父や父が畑に植えた黒松は数年前までデッドストックになりかけていましたが起死回生の追い風が吹きました。それでも昭和の終盤からから平成、令和にかけて黒松の耕作面積は増えることはありませんでした。今から植えてもまた10年20年いや30年とかかるとなると国外のブームだけに、すでにそれらの地域での素材作りは始まっているだろうと予想すると今から植え付けるのは難しい判断になるでしょうね。
一方、国内需要であるマンションのベランダでも楽しめる小さな盆栽の市場は静かながらも一定量の需要があり、小さな盆栽を趣味とする人たちは老若男女、年齢層も幅が広いように見えます。
ところがこの小さい盆栽の分野に当地高松は畑で作ることが当たり前でしたのであまり得意ではない、むしろ苦手であり、ほんの一握りの生産者を除いて殆ど着手していないのが実情です。今から始めても2歩3歩遅れるであろう状況です。
当社は、ここ数年、ポット苗の黒松は80%以上を愛知県の花卉市場経由で仕入れていますが三重県産、愛知県産の「三河黒松」と新潟県産です。高松の花卉市場でも少量仕入れますがそれは徳島県産です。もちろん本場の鬼無盆栽植木センターでも仕入れますが当社が年間に取り扱う1000ポット以上の内の30~40ポットしか確保できません。
その市場に、今期は岐阜県が参入してきました。今朝の愛知県の花卉市場の入荷情報に飛び込んできましたが実生1年生の株立ちとなっていますが寄植ですね。三重県、愛知県も、この岐阜県も背景に見える通り施設園芸ですから計画的に大量に出てきます。香川県の黒松シェア80%以上はもしかするともっと低い数字になっているかもしれません。
香川県頑張れ‼